YogafireというAWSツールでヨガの奥義を極める

※注 タイトルに深い意味はありません


https://github.com/toritori0318/p5-Yogafire
だいぶ前からgithubには置いてたんですが
年始だしドキュメントっぽいのを書いてみることにしました。
超長い!でも便利かも!

前置き

仕事上AWS(EC2)を使うことが多いのですが、
自分で使っていて「こんなんあったら便利かなー」というのを寄せ集めたCLIです。
基本的な考え方としては「EC2をタグNameベースで」いろいろと操作できるようなツールですね。*1 *2
貧乏性な自分はスポットインスタンスを定常的に使うので
yoga sshは割と必須だったりしています。

Windows

たぶん動きません!

インストール

cpanm https://github.com/toritori0318/p5-Yogafire/tarball/master

# cpanm無い時
curl -LOk http://xrl.us/cpanm
# 環境によっては sudo 付ける
# ncurses-devel / readline-devel パッケージが必要
perl cpanm https://github.com/toritori0318/p5-Yogafire/tarball/master

依存が多くていらいらするかもしれませんがしばらく待ちましょう。
インストールが成功するともれなく「yoga」コマンドが使えるようになります。


コマンド一覧

設定系
config Yogafireコンフィグを設定
use プロファイル設定
EC2操作系
ls EC2インスタンスのリストを表示/操作
ssh EC2インスタンスssh接続
start EC2インスタンスを起動
stop EC2インスタンスを停止
reboot EC2インスタンス再起動
terminate EC2インスタンスを削除
create-image EC2インスタンスからAMIイメージを作成
expand-volume EC2ボリュームを拡張
info EC2インスタンスの詳細情報を表示
cmd リモートサーバでコマンド実行
get リモートサーバからrsyncでファイルを取得
put リモートサーバへrsyncでファイルを送信
AMI操作系
ls-ami AMIリストを表示/操作
プラグイン
all-region-info 全てのリージョンをまたいで様々な情報を取得
aws-status AWSステータスを表示
hosts hostsファイルユーティリティ
region リージョンリストを表示
sshconfig sshconfigユーティリティ
amiwatcher AMIのステータス監視
ec2watcher EC2のステータス監視
instance-type EC2インスタンスタイプ一覧表示
render EC2レンダリングツール

初期設定

利用するにはyogaコマンド用のコンフィグファイルを設定する必要があります。

yoga config --init

対話形式での設定を開始します。
AWS関連の環境変数を設定していればある程度自動で設定してくれます。
ただしpemファイルの在り処は入力する必要があるでしょう。
デフォルトでは「$HOME/.yoga」にコンフィグファイルが作られます。
コンフィグファイルの場所は環境変数「YOGAFIRE_CONFIG」で指定することも可能です。
このファイルを直接編集することも可能です(YAML形式)。
コンフィグファイルのexample

yoga use

yogafireでは複数のAWSアカウントを管理することができます。
プロファイルを複数用意し、useコマンドでプロファイル名を指定することによって
簡単に切り替えることができます。
通常は「global」プロファイルに紐付けられています。

# プロファイル一覧
yoga use

# "account1"プロファイルに切り替える
yoga use 'account1'

Yoga Core:利用頻度ランキング

自分がよく使う順に説明していきます。

yoga ssh

インスタンスに対してSSHします。runningのインスタンスのみが自動でピックアップされます。

# 起動中の全サーバを一覧表示し、番号を選択してsshログイン
yoga ssh

# Nameタグが「www01」のサーバにsshログイン
yoga ssh www01
(以下でも同じ意味)
yoga ssh --tagsname www01

# Nameタグが「www*」のサーバを一覧表示し、番号を選択してsshログイン
yoga ssh 'www*'

# --filterオプションでAPIのフィルターも自由にかけることも可能
#   ※sshコマンドに限らず、他のコマンドでも同様
#   http://docs.amazonwebservices.com/AWSEC2/2011-05-15/APIReference/index.html?ApiReference-query-DescribeInstances.html
yoga ssh --filter='instance-state-name=running,availability-zone=ap-northeast-1,group-name=base'
yoga ls

インスタンスのリストを表示できます。全てのステータスが対象となります
(オプションで絞り込むことは可能)

# "www"でタグNameが始まるインスタンスのみ表示
yoga ls 'www*'
(以下でも同じ意味)
yoga ls --tagsname 'www*'

また、-iオプションを追加すると、表示したインスタンスに対して更にコマンド(ssh / start /stop /...)を
実行することができます。

# さらに追加コマンドを選択
yoga ls -i

yoga ls-ami

lsのAMI版。
これをよく使うのは、AMI削除するときにスナップショットも一緒に消せるようにしているからですね。*3

# "www"でAMINameが始まるインスタンスのみ表示
yoga ls-ami 'www*'
(以下でも同じ意味)
yoga ls-ami --name 'www*'

lsと同じように、-iオプションを追加するとインタラクティブモードになります。

# さらに追加コマンドを選択
yoga ls-ami -i
yoga get

rsyncでリモートサーバのファイルを取得します。

# Nameタグが「www02」サーバの「/tmp/hoge.log」をローカルの「./」に転送
yoga get www02 /tmp/hoge.log ./

# Nameタグが「www」で始まるサーバ全部に「/tmp/hoge.log」をローカルの「./」に転送
yoga get 'www*' /tmp/hoge.log ./

# ホスト名でも可能
yoga get hogehoge.example.com /tmp/hoge.log ./

# dry-runモード
yoga get www02 /tmp/hoge.log ./ --dry-run

# rsyncオプションを追加(node_modulesディレクトリを除外してsync)
yoga get www02 ./nodapp ./ -o '--exclude=node_modules'
yoga put

getの反対でリモートサーバのファイルを取得します。
dry-runやrsyncオプションもgetと同じように指定できます。

# ローカルの「README」ファイルを、Nameタグが「www03」サーバの「/home/tori243」に転送
yoga put www03 README /home/tori243
yoga cmd

指定したコマンドをリモートサーバで実行します。
並列実行はTodo...

# Nameタグが「www04」のサーバでlsを実行
yoga cmd www04 'ls'

# Nameタグが「www」で始まるサーバでuptimeを実行
yoga cmd 'www*' 'uptime'

# Nameタグが「db」で始まるサーバでsudo+password実行
yoga cmd 'db*' -s -p '/etc/init.d/redis start'

Yoga Plugin:利用頻度ランキング

プラグインで自分がよく使う順に説明していきます。

yoga instance-type

EC2インスタンスタイプの一覧を表示します。
idとタイプの紐付けや、スペックの確認に便利。

yoga region

リージョンのIDも忘れがちなので一覧で見れると便利ですね!

yoga render

割とお気に入りの機能です。EC2インスタンス情報をテンプレートで記述できます。
具体例をいくつか上げてみます。

# ステータスがrunningのサーバ全てを対象にdnsNameを生成
yoga render --template='"[% dnsName %]",\n' --state=running
(結果)
"ec2-xxx-xxx-xxx-xxx.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com",
"ec2-yyy-yyy-yyy-yyy.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com",
...

# タグNameが'www'で始まるサーバのグローバルIPを生成
yoga render --template='[% ipAddress %]\n' --tagsname='www*'
(結果)
xxx.xxx.xxx.xxx
yyy.yyy.yyy.yyy

# タグNameが'db'で始まるサーバ情報でPerlのコードっぽいのを生成
yoga render --template='{ instance => { instance_id => "[% instanceId %]", private_ip => "[% privateIpAddress %]", launch_time => "[% launchTime %]" } },\n' --tagsname='www*' 
(結果)
{ instance => { instance_id => "i-bbbbbbb", private_ip => "x.x.x.x", launch_time => "2012-03-30T09:00:34.000Z" } },
{ instance => { instance_id => "i-ccccccc", private_ip => "y.y.y.y", launch_time => "2012-03-30T09:01:49.000Z" } }
yoga aws-status

awsステータス情報の通知を時系列に表示します。日付/リージョン/サービス名指定も可能。

yoga hosts

EC2インスタンスipアドレスをhostsに自動更新します。
以下のようなフォーマットでファイルの末尾に追記されます。
更新時も「Yogafire Begin <-> Yogafire End」の間だけが自動で置換されます。
フォーマット

#======== Yogafire Begen ========#
<public_ip or private_ip> <tag_Name>
...
#======== Yogafire End   ========#

実行例

# 更新後のhostsファイルをプレビュー
yoga hosts --preview

# プライベートIPでhostsファイルを置換します(バックアップ有り)
yoga hosts --replace --private-ip --backup

更新後ファイルの例

127.0.0.1	localhost pn-agent pn-broadcast
::1             localhost 
fe80::1%lo0	localhost
...
#======== Yogafire Begen ========#
59.1.1.1         wwwhoge
59.1.1.2         wwwfuga
59.1.1.3         dbpiyo
#======== Yogafire End   ========#
yoga sshconfig

EC2インスタンスipアドレスをsshconfigに自動更新します。
以下のようなフォーマットでファイルの末尾に追記されます。
フォーマット

#======== Yogafire Begen ========#
Host <tag_Name>
    HostName     <dnsName>
    IdentityFile    <.yogaコンフィグの鍵ファイルパス>
    User              <.yogaコンフィグのユーザ名>
    Port               <.yogaコンフィグのポート番号>
...
#======== Yogafire End   ========#

実行例

# 更新後のsshconfigファイルをプレビュー
yoga sshconfig --preview

# sshconfigファイルを置換します(バックアップ有り)
yoga sshconfig --replace --backup

更新後ファイルの例

#======== Yogafire Begen ========#
Host wwwhoge
    HostName     hogehoge.com
    IdentityFile    /path/to/id.pem
    User         ec2-user
    Port         22

Host wwwfuga
    HostName     fugafuga.com
    IdentityFile    /path/to/id.pem
    User         ec2-user
    Port         22

Host dbpiyo
    HostName     piyopiyo.com
    IdentityFile    /path/to/id.pem
    User         ec2-user
    Port         22

#======== Yogafire End   ========#
他にも

割愛しますが、リージョンを横断して情報表示できる all-region-info や、
ステータスを監視して ステータスが変更されたらgrowl表示したりできる
ec2watcherやamiwatcherという機能もあったりします。



Tips的な話

ヘルプ
# 全部のコマンド一覧
yoga

# コマンド毎のヘルプを見る
yoga <command> --help
オートコンプリート

sshやls -iなど、番号/インスタンス名/インスタンスIDを入力するところでは
TABキーでオートコンプリートが効きます。

また、zsh補完を設定しておくと、コマンドラインでもいろいろと補完が効くようになります。

yogaコマンド補完


さらに絞り込んで補完とか。

インスタンス名補完

また、ssh / ls / start / stop /terminate / get /put などのコマンドでは
yoga TABキー でもzsh補完でインスタンス名の補完が可能です。

カラムのカスタマイズ

ssh / ls / ls-ami などで表示される一覧のカラムは
コンフィグファイルでカスタマイズすることが可能です。

app1:
  access_key_id: aaaaaaaaaaaaaaaa
  identity_file: '/path/to/nyoro.pem'
  ###############################################
  # amiリストのカラム
  #  VM::EC2::Imageのメソッドと一致するものを指定
  #   http://search.cpan.org/~lds/VM-EC2/lib/VM/EC2/Image.pm#METHODS
  #  タグの場合は「tags_<タグ名>」で指定可能
  image_column:
    - tags_Name
    - name
    - imageId
    - colorfulImageState
  ###############################################
  # インスタンスリストのカラム
  #  VM::EC2::Instanceのメソッドと一致するものを指定
  #   http://search.cpan.org/~lds/VM-EC2/lib/VM/EC2/Instance.pm#METHODS
  #  タグの場合は「tags_<タグ名>」で指定可能
  instance_column:
    - tags_Name
    - tags_Role
    - instanceId
    - ipAddress
    - privateIpAddress
    - dnsName
    - launchTime
    - colorfulInstanceState
  region: ap-northeast-1
  secret_access_key: bbbbbbbbbbbbbb
  ssh_port: 22
  ssh_user: ec2-user
alias

指定しておくとさらに便利ですね。

# wwwサーバへssh
alias yssh-www='yoga ssh "www*"'
# dbサーバへコマンド実行
alias ycmd-db='yoga cmd "db*"'
# /etc/hostsを置換
alias yhost-replace='sudo YOGAFIRE_CONFIG=/home/toritori0318/.yoga /path/to/yoga hosts --replace'
他のコマンドと連携してみるとか

yoga render コマンドの結果を用いてpsshに食わせたりとか夢ひろがりんぐですね。

Nameタグについての注意点

Nameタグの値が 'www 01 desuyo' のように、間にスペースがあると
動作に影響する可能性があります。スペース禁止!


Todo(たぶんやる)

  • 表示系のソート指定
  • sync や cmdのパラレル実行
  • 入力履歴っぽいのをテンプレートで保存して使えるようにするような仕組み*4

まとめ

自分の用途に特化しているため、まとまりがなかったりAPIが微妙だったりするかもしれないですが
ssh / render / hosts などは割と便利だと思うので
興味がある方は触ってみてください。
また、コマンド自体はMouse::App::Cmdで定義しているだけなのでコマンド追加もコマンドファイル一つ作るだけでいけます。*5
コマンドを自分用に作るのもいいでしょう。

番外編:yogaコマンド依存度

ちなみに自分のコマンドランキングはこんな感じ。

 566 cd
 515 perl
 486 git
 407 yoga
 404 vi
 308 curl
 178 make
 150 ll
 135 node
 101 npm
 101 ack

どんだけyogaコマンドうってるの…

*1:コマンドによってはName関係無かったりしますけどw

*2:任意のタグや、任意の条件も指定可能です

*3:AWSの管理画面でもできるようになって欲しいなー

*4:Launch入力時のパラメータを保持しておくとか

*5:これが例としてわかりやすいかも https://github.com/toritori0318/p5-Yogafire/blob/master/lib/Yogafire/Plugin/Command/allregioninfo.pm